ダイエット初心者はまずローファットダイエットがおすすめと聞くけれど、どんなダイエット方法なのかよくわかりません。詳しく教えてほしいです
ローファットダイエットをしていたら生理が遅れるようになってしまいました。なにかやり方を間違っているのでしょうか?
ローファットダイエットは脂質を抑えた食事をするダイエットであり、初心者が比較的取り組みやすい方法と言われています。
しかし、取り組みやすいとはいってもちゃんとした知識がないと、ホルモンバランスの乱れなど健康被害が生じてしまうこともしばしばあります。
今回は、そんなローファットダイエットについて解説していきます。
この記事を読んだ後、あなたはローファットダイエットで安全健康に痩せる準備が整っているはず。
ポイントを守ればローファットダイエットは意外と簡単ですよ!
ローファットダイエットとは
ローファットダイエットとは、1日に摂る食事の脂質を抑えるダイエット方法です。
脂質を抑えるだけの単純なダイエットに思えますが、実際はただ単に脂質を控えるだけではなく、カロリーの計算や栄養バランスの意識が必要不可欠です。
まずはローファットダイエットにおいて知っておくべきことをお話します。
ローファットダイエットでしてはいけないことは?
ローファットダイエットにおいて絶対にやっては行けないことが2つほどあります。
それは、脂肪の摂取を0にしてしまうことと、糖質の摂取を全く制限しないことです。
この2つをしてしまうと、痩せるどころか逆に太ってしまったり、健康被害を受けたりする可能性があります。
その2つについて確認していきましょう。
脂質を全く摂らないは絶対ダメ!
冒頭にも述べたようにローファットダイエットは、脂質を制限するダイエット方法です。
しかし、ローファットダイエットの実際は、脂質の摂りすぎを控えて、カロリーと栄養バランスを整えるダイエット方法であり、とにかく脂質を控えれば良いというダイエット方法ではありません。
しかし、とにかく脂質を削れば痩せられるという勘違いから脂質を全く摂らず、炭水化物とタンパク質だけで生活することで減量を図ろうとする方が少なからずいます。
脂質はホルモンや細胞膜の材料になったり、腸内環境の調整に必要だったりします。
脂質を全く摂らないのは、ホルモンバランスの乱れの原因となり、特に女性の場合は生理不順や肌質の低下など明らかな健康被害が生じやすくなってしまいます。
ローファットダイエットを行う場合も、必要最低限の脂質はしっかりと摂りましょう。
ローファットダイエットでも糖質は制限します
ローファットダイエットは脂質を主に制限し、糖質を主なエネルギー源として摂る方法なので、糖質量の制限はしないものと思う方もいます。
しかし、実際はしっかりと糖質も総摂取カロリーの50〜60%程度までに抑えるように制限をします。
ローファットダイエットでも糖質の摂りすぎには注意をしましょう。
ローファットダイエットのPFCバランス
ローファットダイエットはタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)のバランスを、P:F:C=3:1:6にすると良いと言われます。
しかし、僕自身はローファットダイエットのPFCバランスは、P:F:C=3:2:5をパーソナルトレーニングのクライアントなどにもおすすめすることが多いです。
というのは、例えば、2000kcalで減量をする場合は、P:150g F:22g C:300gとなり、かなり脂質を制限される形になります。
厚生労働省発表の日本人の食事摂取基準では、脂質の目標量は総摂取エネルギー量の20〜30 %程度とされており、全体の10%というのは制限されすぎており、必要最低限の脂質を摂取できなくなる可能性があります。
特に女性のダイエットにおいて脂質を10%程度まで制限した場合、生理不順や便秘などの健康被害が生じやすくなることが多い印象があります。
上記理由により、ローファットダイエットでも脂質は全体の20%程度、特に女性の場合は脂質を40g以上は摂取できるPFCバランスを設定することを、健康的なダイエットを行うためにもおすすめします。
ローファットダイエットのメリットとデメリット、どんな人におすすめ?
ここからはローファットダイエットのメリットとデメリット、そしてどんな人におすすめなのかについてお話していきます。
ローファットダイエットのメリット
ローファットダイエットのメリットは以下の点があります。
・炭水化物を多く食べられるため食費が安く済む
・栄養バランスよく食事ができる
・制限範囲内なら食べるものに制限がない
上記の点からローファットダイエットは、比較的ストレスの少ない、取り組みやすいダイエット方法と考えています。
ローファットダイエットのデメリット
ローファットダイエットのデメリットは以下の点があります。
・炭水化物を食べるため血糖値の上下動が生じ、空腹を感じやすい
・カロリーや栄養素の計算が面倒
ローファットダイエットの一番のデメリットは空腹を感じやすい点です。
空腹感があると、それだけ食事を食べ過ぎる可能性があります。
また、ローファットダイエットはカロリーや栄養素の計算の範囲内であれば何を食べても大丈夫ですが、その分計算をしっかり行う必要があります。
致命的なデメリットはありませんが、気になる点ではありますね。
ローファットダイエットがおすすめな人
ローファットダイエットはこんな人におすすめです
ローファットダイエットがおすすめな人
- 炭水化物が好き
- 脂っこいものが食べられない
- なるべくお金をかけずにダイエットしたい人
日本人は炭水化物中心の食事に慣れているのもあり、炭水化物を好む人が多い傾向にあるため、結果としてローファットダイエットは日本人に取り組みやすいダイエット方法とも言えます。
また、日本で手に入る米や麺類などの炭水化物は比較的安価に手に入る物が多く、炭水化物を中心に食べるローファットダイエットは食費の掛かりにくいダイエット方法と言えます。
ローファットダイエットで食べていいもの、悪いもの
最後に、ローファットダイエットで食べていいものと悪いものについてお話をしていきます。
この項を読めば、ローファットダイエットで食事や食材を選ぶのが簡単になり、もうスーパーで何を食べればよいのか悩む必要はなくなります。
ローファットダイエットで食べていいもの
ローファットダイエットでは基本的に1日のカロリー、およびPFC設定の範囲内であれば何を食べても問題ありません。
なので、ここではローファットダイエットにおいておすすめの食材をいくつか挙げたいと思います。
タンパク源としておすすめ
・鶏肉(皮なしの胸肉、もも肉など)
・タラなどの白身魚
・アサリ、ホタテなどの貝類
・豚ヒレ肉
・牛もも肉(赤身の牛肉)
・大豆食品
鶏肉は皮を剥けば基本的に脂質は少なく、ダイエットにもってこいの食材です
特に、鶏の胸肉にはイミダゾールジペプチドという成分が多く含まれており、このイミダゾールジペプチドが疲労回復や運動パフォーマンスの向上効果を持っているため、おすすめです。
糖質源としておすすめ
・玄米
・さつまいも
・そば
・冷やした米・芋
基本的にはGI値が低く、血糖値の上がりにくい食材がおすすめです。
特に、そばはGI値が低いだけでなく、タンパク質の含有量も多いためおすすめの食材となっています。
また、炭水化物は加熱した後に冷やすと、その構造が変化し、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)に変化します。
レジスタントスターチは食物繊維よりも大腸での難消化性を示すとされ、消化吸収に時間がかかり、腹持ちも良いため、空腹感との戦いとなるローファットダイエットではおすすめです。
温め直してしまうとレジスタントスターチは元に戻ってしまうため、おにぎりやポテトサラダなど、冷たいまま食べやすい食材を選んで下さい。
脂質源としておすすめ
・適量のナッツ(ピーナッツ以外)
・青魚(サバ、マグロなど)
・卵
・MCTオイル
すでに述べましたが、ローファットダイエットでも必要最低限の脂質の摂取は必要であり、不足するとホルモンバランスの乱れなどにより健康被害がある場合があります。
ナッツや青魚、卵には体内で合成できない必須脂肪酸が豊富に含まれているため、ローファットダイエット時の脂質源としてはおすすめです。
また、MCTオイルは糖質制限ダイエット、特にケトジェニックダイエットにおいて主に使われるオイルですが、ローファットダイエットでの脂質源としても、体内に蓄積されにくいためおすすめです。
ローファットダイエットで食べてはいけないもの
ローファットダイエットでは基本的に1日のカロリー、およびPFC設定の範囲内であれば何を食べても問題ないと、ローファットダイエットで食べていいものについて説明しました。
このことから、当然カロリーやPFC設定の範囲内であれば食べていけないものというのはありません。
なので、この項でもローファットダイエットで食べる場合注意が必要なものについてお話していきます。
サバの水煮缶
サバの水煮缶はおすすめ食材として挙げた青魚でもあるため、ダイエットに向いているイメージがありますが、ローファットダイエットにおいては注意が必要です。
というのは、サバの水煮缶は基本的に脂質を20g程度、もしくはそれ以上含むものが多く、ローファットダイエットの場合1日に1缶食べるだけで人によっては1日の脂質量の半分以上を摂ってしまう場合があります。
そのため、食べ方や料理への用い方には注意が必要です。
揚げ物全般
ローファットダイエットでは基本的に揚げ物はあまり食べられません。
特にコロッケやカツなどのような、パン粉をつけて揚げるものは、パン粉が油を吸いやすく、高脂質となりやすいです。
一方で、唐揚げや天ぷらはフライと比較して衣の違いの関係で揚げ物の中では意外と脂質を含んでおらず、エビの天ぷらなんかは1〜2本程度であれば制限範囲に余裕で収まることもあります。
唐揚げや天ぷらは意外と脂質を含んでいないとはいっても、やはり食べすぎには注意が必要ですが、どうしてもローファットダイエット中に揚げ物を食べたくなってしまった場合には、少量の唐揚げや天ぷらを検討してみてください。
和菓子・フルーツ
和菓子やフルーツも、カロリー自体は低く脂質をほぼ含んでいない食材ですが注意が必要です。
和菓子は、小豆には問題はありませんが、使用されている砂糖が二糖類であること、フルーツは含まれる糖質が単糖類である果糖であることが問題として上げられます。
単糖類や二糖類は体脂肪になりやすい糖質であるため、たまのおやつ程度であれば和菓子、フルーツは問題ありませんが、毎日三食食べるなどのように積極的に食べることは避けるほうが良いでしょう。
ローファットダイエットの食事の摂り方:食べるタイミングなど
最後に、ローファットダイエットにおける食事のタイミングなど、食事の摂り方についてお話します。
とはいっても、大前提として、1日のカロリーやPFCの設定を守っていれば、基本は1日のどのタイミングで食事を摂っても構いません。
1日1食で1日分の栄養素を摂るなんてことはもちろん消化器が悲鳴をあげますのでやめたほうがいいですが、基本は絶対コレといった食事の摂り方、タイミングはありません。
しかし、ダイエットはできれば効率的に進めたいもの。
この項では、体質別のローファットダイエットの食事の摂り方、特に注意が必要な外胚葉型と内胚葉型についてお話していきます。
体質についてはこちらの記事にて判別ができますよ!
外胚葉型のローファットダイエットでの食事の摂り方
太りにくく痩せやすい外胚葉型の人は、体重をへらすという意味ではダイエットで困ることはあまりないかもしれません。
しかし、ダイエット中に筋肉が落ちないようにする、といったことを意識すると、食事の摂り方についていくつか意識するべき点があります。
外胚葉型がローファットダイエットで意識するべき点
・ドカ食い禁止、食事回数は多めで
・トレーニング直後にGI値高めの糖質を
・脂質は一気に摂らずに毎食に分けて摂る
外胚葉型は内臓系があまり強くなく、たとえダイエット中だったとしてもあまり量を食べれなかったり、1食の食事量が多くなると消化不良を起こす可能性があります。
また、外胚葉型はその代謝の高さから、ダイエット中に筋肉まで落ちてしまうカタボリックという状態の陥ってしまう可能性が高いです。
特にトレーニング直後は筋肉の合成だけでなく分解も高まっていますので、筋肉の合成のためのエネルギーである糖質を、消化吸収しやすいGI値の高いもので摂るように心がけましょう。
脂質については、外胚葉型の場合は1食で摂りすぎてしまうと、脂質の腹持ちの良さが災いしてその後の食事がまともに摂れず、摂取カロリーが少なくなりすぎてしまうことがあります。
一度に脂質を摂りすぎないように注意しましょう。
その他、外胚葉型についての内容はこちらの記事から
内胚葉型のローファットダイエットの食事の摂り方
太りやすく痩せにくい内胚葉型の人は、ダイエットではかなり苦労する可能性が高いです。
内胚葉型がローファットダイエットを行うために意識することはこんなことがあります。
内胚葉型がローファットダイエットで意識するべき点
・糖質は基本GI値低めで、腹持ち意識
・空腹感が強ければPFCバランスをP:F:C=3:2.5:4.5と脂質多めに・
・こまめな食事はNG
内胚葉型は消化吸収能力が高く、空腹を感じやすいため、ローファットダイエットでは低GI値の食品や脂質を上手く使うことでできる限り腹持ちをよくする必要があります。
また、ダイエットでは食事回数をこまめに分けるといった手法がとられる場合がありますが、内胚葉型でこれを行った場合、空腹感が強くストレスを抱えてしまう場合があります。
内胚葉型がローファットダイエットを行う場合は、糖質の種類や脂質の使い方に注意しましょう。
その他、内胚葉型についてはこちらの記事からどうぞ
まとめ:ローファットダイエットは脂質を適度に制限、体質に合わせてPFCバランスを微調整しよう
今回は、ローファットダイエットについてのお話をしました。
単に脂質を抑えればよいかといえばそんなことはなく、栄養バランスなどに配慮する必要もあるのがローファットダイエットでしたね。
このブログでは、上記のようにフィットネスやダイエット、食事などに関連した内容を、医療従事者(理学療法士)兼パーソナルトレーナーの目線からお伝えしていきます。
他の記事も是非、ご一読ください。
今回は、以上です。
このブログでは、上記のようにフィットネスやダイエット、食事などに関連した内容を、医療従事者(理学療法士)兼パーソナルトレーナーの目線からお伝えしていきます。
他の記事も是非、ご一読ください。
今回は、以上です。
コメント